【運営】:認知症介護研究・研修センター(東京、大府、仙台)
  我が国の認知症介護に関する研究・研修の中核的機関として
  平成12年度に厚生労働省により設置されました

研修情報

認知症介護指導者の紹介/仙台センター

武田 賢作 (仙台センター第11期生)
地域に密接した施設作りを目指して

小規模多機能施設 美の里

地域の特徴

自施設のある地域の特色について

 私達が生活する若林区は仙台市内でも、足軽町や町人町が多かった所です。戦災に殆どあわなかったこともあって、技術が受け継がれ、今も伝統技能 や伝統工芸品を見る事が出来ます。仙台市の中でも大規模な区でありますが他の地方都市同様高齢化が進み65歳以上が占める割合も約20%を占めています。 一方、伝統技能、小売業、農業等のサービス業に従事されている高齢者も多く、80歳以上の方でも技術の伝承をされている元気な高齢者もいます。

地域ケアとして施設が取り組んでいる事業の紹介

 私達の施設は、認知症対応型通所介護事業所が一箇所、それと併設してグループリビング・居宅介護事業所を備えております。また、独自に独立型の 認知症キャラバンとして認知症になっても安全に安心した生活が地域でできるように市民の方々に対して出張講座を開催しています。我々から地域に出向いてい く事で一般の市民が抱えている、福祉に対しての悩みを少しでも取り除けるよう他の機関とも連携して行っております。また、指導者として地域包括支援セン ターの職員や介護福祉士の卵達に対して認知症の理解を深く持って頂くための講義等の活動も行なっております。

地域ケアに関する今後の課題、展望  地域の住民の方々に入って頂く運営推進会議を通じて痛切に感じる部分が、介護保険がスタートしてから早7年が経過しているのにも関わらず、i) 介護保険制度の仕組み、福祉サービス等、ii)認知症に対しての理解等など、ご理解していない方々が地域には多々存在する事が分かりました。実際、保険料 は有無を言わさずに引かれている状況でありながら、一般の市民の方々が抱える老後の不安などが現状の国策では理解されていないのでは?と感じております。 何故、大型施設を小さくしたり、集団処遇を個別処遇にしているのか、原点となる問題解決を図らなければ一般市民の意識は変わるものではないと思います。そ して、介護保険制度の件もありますが、大切な事は、認知症になっても一人の人間として幸せに生活し、価値ある人生を送る権利を有している地域住民と言う事 を地域の方々にも理解してもらい、そして私達福祉マンはそれを地域ぐるみで支えて行くと言う事が必要だと思っています。

認知症介護指導者/仙台センター一覧へ戻る