【運営】:認知症介護研究・研修センター(東京、大府、仙台)
  我が国の認知症介護に関する研究・研修の中核的機関として
  平成12年度に厚生労働省により設置されました

研修情報

認知症介護指導者の紹介/大府センター

栗本 文代 (大府センター第1期生)
歴史ある街に共存する福祉施設のあり方への取り組み

名古屋南ケアセンター そよ風

地域の特徴

 私たちの施設のまわりは、第二次大戦時の空襲の難を逃れたこともあり、戦前からの古い町並みがそのまま残っています。
 江戸時代に参勤交代で、お殿様が歩いた道が、今も現役で生活の中に息づいています。周辺には、その時代から代々続いている家が多く、住んでいる人々も先祖代々暮らしている人々で 占められています。
 また、少し離れると1O年程前に開通した地下鉄を中心に新興住宅地が広がっています。施設の西側には、天平八年開創された笠寺観音があり、厄除 け、縁結び、節分の際は大勢の人で賑わい、恵方ともなると前夜から街中の人々が集まってきます。南側には、小高い丘の見晴台公園があり、その上には考古資 料館が あります。そして、東側には、福祉会館があります。この福祉会館は名古屋市内で一番利用率が高く、この街のお年寄りの多さを物語っているといえます。
 現在、当施設を利用されている方達も以前、この福祉会館を利用されていた方が多くいらっしゃいます。ただ、古い町並みに伴って、考え方もまだまだ封建的で、社会資源を利用 されることに抵抗を感じておられる家族が多いのも事実です。

施設が取り組んでいる地域ケアについて

私たちの施設は、平成14年7月に開設しました、デイサービスとグループホームのある複合施設です。デイサービスは定員30名の一般デイ、グループホームは1ユニット9名の 2ユニットです。
 現状は、デイサービス営業後、フロアを地元の老人会、婦人会の方達に無料開放し会合や練習の場として提供しています。また、区社協主催の在宅介護者向け介護教室においての講演や、近隣のデイサービスやグループホームの職員研修において講義などを実施しております。  今後の取り組み について、グループホームに関しては、月1回の「家族面談会」「入居者のふるさと訪問」等を予定しております。デイサービスに関しては、利用者の家族対象に「介護者教室の開催」「ご家族との昼食会」等を予定しております。

今後の課題と展望
 私たちの施設は、平成15年4月1日現在で設立9ヶ月ですので、地域のみなさまの知名度、浸透度はまだまだ浅いのが現状です。まずはデイサービ ス、グループホームをより質の高いものにし、足固めをしてゆきたいと考えています。そのうえで、高齢者人口の割合が高い地域ですので、認知症のある・ない に 関わらず、お年寄りを抱えた家族、抱えていない家族、認知症高齢者と接する機会のある人々、ない人々に、認知症高齢者の存在、認知症という病気を理解して いただくために、例えば地域の未来を担う小・中・高校生、現に地域を支えている自治会、婦人会、老人会等各種地域団体の皆さんに、それぞれの場所で、さま ざまな かたちで広く伝えてゆきたいと考えております。

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