・4年程前から、アリセプトとグラマリールが処方されており、認知症・精神状態に変化なし。
・急性硬膜下血腫。外傷性くも膜下出血。処置せず退院。入院を機にリスパダールの処方あり。
「脳外科的処置は必要なし」との判断だったのですか?リスパダールはその後も服用しているのですか?
救急搬送での入院だったが、医師や看護師に攻撃的な行為がみられ、またAさんも精神的に不安定な状況となり、 対応困難とのことで急遽退院となる。リスパダールは、専門医を受診し、調整してもらって現在夕方のみ服用している。
右大腿骨骨折。退院時には、「薬が効きすぎた」とのことでぐったりした状態であった。
荷重制限や痛みについて担当医から情報はありますか?「薬が効きすぎた」とのこと、どのような薬を服用していたのですか。現在服用している薬を聞かせてください。
全荷重許可が出ています。リスパダールを入院中は屯用として服用。退院日は夜間と早朝。退院直前にも服用とのこと。
現在、(朝)グラマリール・アリセプト(夕)リスパダール・酸化マグネシウムを服用。
(2)身体的痛み、便秘・不眠・空腹等による苦痛の影響は考えられますか?
大腿部の骨折箇所に、術後痛みあり。
痛みを表す場面を教えてください。。
自身で立ち上がる際や、歩行介助で移動する際。(右足を引きつける際))
夜間の浅眠時、日中の傾眠時、朝の起床介助時は、非常に不機嫌である。
不機嫌さと睡眠に関係があると考えますか?
傾眠時に声を掛けると奇声を発し、その後暴言が続く。夜間不眠で早朝になり熟睡することも多く、そのような日は朝9時~10時くらいまで熟睡する。朝10時を過ぎても起きないときは声を掛けているが、「起こされた。」と憤慨する。
もともと便秘がちで、プルゼニドの処方あり。便が固く、出るとき痛いのか悲鳴をあげる。プルゼニドを服用すると下痢になる。下痢になるとパニックになってしまい、暴れてしまう。
排便に伴う上記の状態について、医師や看護師に相談したことはありますか?
プルゼニドからラキソベロンに変更。以前はマイナス4日で服用していたが、現在は、マイナス2日で便が固くなる前にラキソベロン服用の指示あり。それでも出始めが固く、本人がパニックになるため、「朝のグラマリールを抜いたらどうか?」と往診医から提案あり。来月からグラマリールを抜く予定だが、それにより精神状態の安定への影響が心配。
入院前は食欲旺盛。現在は食欲低下と摂食拒否あり。
摂食拒否について具体的に教えてください。
スプーンを投げつけ、介助の手をはねのける。現在は箸を使用し、自身でゆっくりほぼ完食している。まれに食べない日もあるが、無理強いはせず様子を見て食器をさげている。体重は安定している。
(3)悲しみ・怒り・寂しさ等の精神的苦痛、また本人の性格等の影響は考えられますか?
分からないことへの不安。
不安につながる「分からないこと」とは具体的には何ですか?
「なぜ痛いのか」「ここはどこなのか?」「この人(職員)はだれなのか」
家族が面会に来ない寂しさ。友達がいない。プライドの高さ。私だけを大事にして欲しい。。
病院に入院するというエピソードの前に、長い時間を使ってAさんとの関係性を構築していますが、信頼関係を築いた要因は何であったと考えていますか?そして、その要因が今回の関わりに功を奏さないのは何故だと考えますか?
以前は、職員の顔を時間はかかったが覚えてくれた。今も一部の職員の顔は覚えている。再度、1からスタートと思い、時間をかけて関係構築していくつもりである。
(4)音・光・味・臭い・寒暖等感覚的な苦痛を与える刺激の影響は考えられますか?
他の方が話しているのが気になる。
どのような仕草を示すのですか?
話をしている他入居者を指差し、「あたしを殺すって言ってる。」「私の悪口?」と心配顔で職員に訴える。
毎日同じことを言っている他入居者にイライラしてあたる。
どのような行動でイライラ感を示すのですか?
夕方になると、「どうすればいい?」と聞き続ける。他の入居者に対して暴言を浴びせ、時には立ち上がって攻撃的な行動にでてしまうことがある。
(5)家族・介護者など周囲からの過剰、あるいは少なすぎる関わりの影響は考えられますか?
家族にも事情があり、面会が少ない。友達や親戚の面会は一切ない。
家族に面会の依頼をしたことはありますか?家族はAさんに対してどのような感情を持っているのですか?
グループホームからの依頼により、長女は週1回、次女は月1回は訪問してくれるようになった。長男は遠隔地に居住し、病気の家族がいるため訪問は困難とのこと。今回の入院を機に兄弟で話し合うことが増え、お互いにできるだけ訪問しようということになった。
排泄介助時や入浴介助時、パニックになり奇声を発したり暴れたりすると、スタッフ数人で関わるが、大勢いることで余計にパニックになる。
排泄や入浴の介助時にパニックになる原因を検討したことはありますか?
移動することに対する不安や脱衣に対する不安がある。1対1でゆっくり時間をかけ、声掛けと説明をしながら行うようにしている。
(6)障害程度・能力の発揮に対して、住まい・器具・物品等物的環境による影響は考えられますか?
・退院後、車椅子を購入したが自操の仕方が分からない。
・自由に歩くことができない。
車椅子を自操する練習はしているのですか?また車椅子で自由に動けるスペースがあるのですか?
自操の練習ややり方の説明を試みたが、拒否があり、そのたびに興奮してしまう。自由に動けるスペースはある。
・手がうまく動かない。(箸・スプーンがうまく使えない)
・ベッドからトイレまでの手すりが、とぎれとぎれである。
食事以外に手を使う動作はできていますか?
筋力低下と振戦(しんせん)があり、はさみ使いや書字はうまくできない。おしぼりを巻いたりはできる。
(7)要望・障害程度・能力の発揮と、アクティビティー(活動)とのズレによる影響は考えられますか?
・体操や活動は、拒否があり不参加。
・手伝い(お盆拭き)などをお願いすると、「なんで私がやらなきゃいけないの!!」「ホテルなのに、お客に仕事させる気!?」と怒る。
(8)生活歴・価値観等に基づいた暮らし方と、現状とのズレによる影響は考えられますか?
・もともとお嬢様育ち。
・子供の自立後は、一人暮らし。
・悠々自適な生活からグループホームでの共同生活。
・入院時は、著しい環境変化の中で不安の強い生活。