Aさんは、けいれんなどを抑える薬を定期的に処方されている。けいれんが起きれば、横になってもらうと治まるようになってきている。
(2)身体的痛み、便秘・不眠・空腹等による苦痛の影響は考えられますか?
精神的に不安定になり、「家族に会いたい」などになってくると、左足の痛みやけいれんを訴える。
不安定になると痛みやけいれんが起こるとのことですが、医療的には問題はありませんか。
医療的には、問題はありません。
(3)悲しみ・怒り・寂しさ等の精神的苦痛、また本人の性格等の影響は考えられますか?
ケアに対する不満があると、それが精神的な不安につながっている。
どのようなケアに、不満を持ちますか。
・指示的な言葉遣いで話をされたときです。
・一人っ子で育てられていたせいか、寂しがりや、甘えたがりが目立つときが見られます。
指示的な言葉掛けが多いですか。また、甘えられる人、仲の良い人はいませんか。
指示的な言葉遣いは、時々見られます。スタッフには甘えますが、他の利用者にはありません。
(4)音・光・味・臭い・寒暖等感覚的な苦痛を与える刺激の影響は考えられますか?
(5)家族・介護者など周囲からの過剰、あるいは少なすぎる関わりの影響は考えられますか?
夫に会いたがっているが、酒を飲んだり、十分な対応をしてくれなかったりすると、不安になる。
外泊はしているようですが、面会には来ませんか。
・週1回面会に来ます。
・介護者が常に声掛けをしないと、表情は暗くなり、不穏となります。
なぜ、面会に来ると表情は暗くなり、不穏になるのですか。
会ったときはうれしいのですが、夫は家では酒を飲み暴力をふるうため、それを思い出します。
(6)障害程度・能力の発揮に対して、住まい・器具・物品等物的環境による影響は考えられますか?
自分でトイレに行けるが、自宅ではポータブルトイレを用意して、それに排便していることもある。
(7)要望・障害程度・能力の発揮と、アクティビティー(活動)とのズレによる影響は考えられますか?
不安になると歩行にも影響があるが、混乱すると、急ぎ足で周りを見ずに歩いて行くこともある。
どのようなときに、不安になりますか。また、転倒などの事故やインシデントはありましたか。
・スタッフの関わり方が悪いと、不安になります。また、あまりかまう時間が少ないと、精神的に不安定になります。
・夏にホームから出て行ったとき、後ろから様子を見ていると、信号や車に関係なしでひたすら疲れるまで歩いたことがありました。
(8)生活歴・価値観等に基づいた暮らし方と、現状とのズレによる影響は考えられますか?
・Aさんが不穏になったときに、夫が十分に対応できていないように思われる。
・夫も一緒にいたいが、世話をはじめると面倒になり、酒を飲むとAさんを忘れることもある。
夫はAさんを世話できる状態ですか。
入居前、担当のケアマネジャーが、「二人では無理だ」ということで入居しています。外泊中も酒を飲むと、食事を忘れたり、賞味期限が切れているものを食べさせ、お腹をこわしたりしたことがあります。
夫を支援してくれる社会資源はありますか。
現在は、自宅で一人暮らしです。生活保護を受けています。
以前Aさんが利用していた事業所(デイサービス)は近くにあります。