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事例概要 事例55

タイトル:徘徊する人に対する地域での見守りについて

Ⅰ.<事例の状況>

Aさんは、夫(再婚)と二人暮らしで、生活保護を受けている。Aさんは、夫を頼っているが、夫は昼間から酒を飲んだりして、十分Aさんの面倒を見ていない場面も多いため、現在グループホームに入居している。Aさんは、酒を飲む夫が嫌で、言い合いになることもあり、家を勝手に出て行くことがたびたび見られた。自宅に外泊中、夫が午後10時半頃目を覚ますとAさんの姿がなく、玄関の扉が開いていた。警察に連絡後捜索するが、午前1時を過ぎても発見できず、夫も「今までも何回かあった。最悪の場合は仕方ない。」と話している。その後、午前2時過ぎに路上を歩いていたAさんが、通行人の通報でパトカーに保護され、無事帰宅したとの連絡が入る。

Ⅱ.<この事例で課題と感じている点>

徘徊する人の問題が、地域の中で予想以上に多かった点。特に家庭においては、家族介護の問題を抱えている点を強く感じる。自宅からいなくなれば、自分たちで捜すには限界があり、他に要請しなければならない部分を、いかに整えていくのかが課題であると思われる。

Ⅲ.<キーワード>

徘徊、地域、見守り

Ⅳ.<事例概要>

年  齢 70歳代後半
性  別 女性
職  歴 農家へ手伝いに出る。会社の家政婦を20年位。
家族構成 夫(再婚)、子ども5人(前夫の子)
認知機能 HDS-R 10点
要介護状態区分 要介護3
認知症高齢者の日常生活自立度 Ⅲa
既 往 歴 変形性腰椎症、アルツハイマー型認知症、メニエル病
現   病 変形性腰椎症、アルツハイマー型認知症、メニエル病
服 用 薬 バファリン、チラーヂン、ガスモチン、ファモチジン、リボトリール、アリセプト、アローゼン
コミュニケーション能力 精神的に落ち着いていれば問題ない
性格・気質 おっとりしている
A D L 自立歩行できるが、精神的に不安が出てくると、左足の痛みや頭痛、震えが出てくる
障害老人自立度 A1
生きがい・趣味 花を見るのは好きである
生 活 歴 小さいころに農家に手伝いに出る。家族との関わりは薄い。20歳位で最初の夫と結婚、子どもは5人。その後離別し、今の夫と30歳の頃夫の職場で知り合い再婚。その後、夫の勤務する会社の家政婦として20年位働く。10年位前に、夫が70歳になったのを契機に、今住んでいる街に来る。認知症の症状が現れたのは、7年位前から、「最初は、自分に文句を言っている」程度しか夫は認識していなかった。そのうち、夜「婆さまが迎えに来た。」と言って家から出て行き、橋の下で通行人に発見され、交番まで連れてきてもらった、このようなことが起こるようになった。夫は、あまり認知症の理解がなく、年に数回は、同様の徘徊が起きている。5年位前から、デイサービスなど介護保険のサービスを使っているが、夫の対応は変わっておらず、居宅介護支援事業所の紹介で、グループホーム入居となる。
人間関係 夫と二人暮らし(再婚)。子どもたちは、会いに来ない。
本人の意向 「とうさん」と一緒にいたい。
事例の発生場所 自宅
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