抗不安薬を毎食後1錠服用しているが、現在の服用量が足りないのではないか。
あるいは、抗パーキンソン剤を毎食後1錠服用しているため、その副作用の影響が出てきているのではないか、ということが考えられる。
糖尿病薬を服用していますが血糖値はどうですか。
安定していました。現在は把握できていません。
抗不安薬・抗パーキンソン剤の効果・副作用について医師・看護職に相談したことはありますか?
ありません。
(2)身体的痛み、便秘・不眠・空腹等による苦痛の影響は考えられますか?
眠剤を服用しているが夜間不眠時が多く、日中傾眠状態でいることがある。そのため、眠そうな表情をすることが多い。
また、下剤も服用しているため、排便が数日ないときには険しい表情をすることもある。
服用中の眠剤・下剤の、効果・副作用についてチームで検討したことはありますか?
効果や副作用に関して検討したことはありません。
本人のことばと食事量(食の満足)との関連性を検討したことはありますか。
食事量や食事形態について、状態に合わせて検討したことはあります。
(3)悲しみ・怒り・寂しさ等の精神的苦痛、また本人の性格等の影響は考えられますか?
考えられる。
こだわり、執着心、思い込みが強いため、本人の思いに反する対応をすることにより、感情の起伏が激しくなる。
本人の性格をどのようにとらえていますか?
家族思いで優しい方。
負けず嫌いなところもある。
親切の表し方が違う方向へいく(不器用な面もある)。
(4)音・光・味・におい・寒暖等感覚的な苦痛を与える刺激の影響は考えられますか?
苦痛ではないと思うが、普段過ごしている空間から厨房が見え、調理している物のにおいが空間に広がる。食に関しての訴えが直接厨房に伝えやすいというメリットもあり、本人も「ここの食事がおいしい」と言い、食事を注文したいという思いを訴えることがある。
生活感のある空間で過ごしているのですね。どのような食事を希望しているのか、実際に食事の注文に応じたことはありますか?
食事量に関して、在宅と同じようになるよう、主食(かゆ)はどんぶり対応にしていました。それでも足りないときには小腹が空いたとき用のお菓子を、スタッフが加減して提供していました。
(5)家族・介護者など周囲からの過剰、あるいは少なすぎる関わりの影響は考えられますか?
本人の家族に対する暴言や手をあげること、昼夜問わずある御詠歌に関する訴え、近所の方からの苦情により、家族の精神が不安定である。
また、主介護者である妻も高齢であり、体調も良好ではないため、本人に対し十分なサポートがされているかは定かではない。
妻の体調不良を察している様子はありますか?
妻の体調不良は本人も知っていました。
本人と家族の関係を教えてください。家族に自分を受け入れてもらいたい感情がプレゼントという行動を生んでいる可能性はありますか?
家に帰りたいという思いはあったと思います。プレゼントは性格的なものからくる発想なのではないかと思います。
(6)障害程度・能力の発揮に対して、住まい・器具・物品等物的環境による影響は考えられますか?
生花や観葉植物、造花、いろいろな物がAさんにとって届きやすい位置にあるため、本人の目に付き、家族にプレゼントしたいという思いから収集につながるのではないか。また、届かない位置にある物に対しても欲しいと思ったら車椅子から立ち上がり取る。それが転倒へとつながる。
左半身麻痺はあるのですね。生活に支障はないのですか?
だんだんと拘縮が進みましたが、普段の生活の中で不便だと感じるようなことは言っていませんでした。
(7)要望・障害程度・能力の発揮と、アクティビティー(活動)とのズレによる影響は考えられますか?
本人は御詠歌を唱えたいという思いを持ち、週1回のお参りクラブに参加している。しかし、週1回では本人の要望が満たされていないため、御詠歌や仏具に関する訴えも頻繁にあるのではないかと考えられる。
週1回のお参りクラブ以外の日は、どのような役割をもって生活をしているのですか?
本人の過ごしたいように過ごしてもらっていました。また、観賞・運動レク、事業所内にあるお地蔵様へのお参りなど、声掛けを行い本人の意思を尊重して参加してもらっていました。
(8)生活歴・価値観等に基づいた暮らし方と、現状とのズレによる影響は考えられますか?
奉仕活動や御詠歌を唱えることを生きがいとしていたが、現在は行っていない。そのため、奉仕活動や御詠歌に対する思いは強くなり、現在の訴えへと変わったのではないかと考えられる。
しかし、きょうだい(姉・妹)が同じ施設でサービスを利用しているため、3人揃うときは少しの時間共に過ごし、精神の安定がはかれているのではないかと考えられる。
御詠歌を唱えること以外に、本人が奉仕活動と認識できる活動(人の役に立つ)を検討しましたか?
検討し提供したことはありますが、本人の意思が大事ですので、無理に押し付けることはしませんでした。