疾病の進行からきている症状かどうかは不明だが、できなかった簡単な会話(簡単な質問の返答)はできる時がある。
医師と情報交換はしていますか?また、その頻度は?
受診時に情報提供をして、ケアの助言を受けている。皮膚疾患時、症状が安定しているので、(夕)の内服(興奮や不安を抑え気分を安定させる作用・リスパダール)を中止し、本人の状態(BPSDなど)、皮膚の状態の様子観察の指示。症状安定時は1回/2ヵ月、不安定時は、1回/1ヵ月の受診。
(2)身体的痛み、便秘・不眠・空腹等による苦痛の影響は考えられますか?
・痛み、不眠はあまり考えられない。空腹かもしれないとおやつ提供をしたこともあったが、あまり効果はなかった。
・1日の中で変動あり。時間は不定期。
変動について、訴えが出る前の状況把握は、どのようにしていますか?また、何か共通することはありませんか?
状態出現前は表情、行動等(独語、かばんを探す、うろうろと歩き出す)。Aさんの状況は、職員の関わりがなく一人でいる時が多い。
(3)悲しみ・怒り・寂しさ等の精神的苦痛、また本人の性格等の影響は考えられますか?
夫が側にいない不安と寂しさは考えられる。夫の顔を見ると笑顔になる。
「不安と寂しさ」をAさんが感じるころに、どのような配慮をしていますか?
Aさんに聞く。ほとんどの時「○○の曲がないぞー」と話すので、一緒にカラオケをしたり、好きな歌手のDVDを見たり、外に一緒に付いて行ったりの対応をして、スタッフが付いて表情を見ている。なるべく一人にしないように言葉掛けをしている。
(4)音・光・味・臭い・寒暖等感覚的な苦痛を与える刺激の影響は考えられますか?
・嫌いな食べ物は全く口にしない。「もういらない。」と発言はあるが、影響とは考えられない。
・何か匂いがあるときは「臭い。」との発言があるが、直接の関係は考えられない。
(5)家族・介護者など周囲からの過剰、あるいは少なすぎる関わりの影響は考えられますか?
・以前と比べると夫と過ごす時間より事業所で過ごす時間が多くなっているが、常に献身的に関わっていると感じている。
・通いを中心とした利用だが、時々泊まりがあるので不安と寂しさがあるのか?
泊まりについての説明は、誰が、どのように行っているのですか?
夕方にかばんやパジャマを見せながら、泊まりの話をスタッフがしている。しかし、ほとんどの日に「泊まらない、帰る。」と返答し、しばらくは落ち着きがなくなる。最近は、夜間の不穏が少なく、良眠できる日が多い。
(6)障害程度・能力の発揮に対して、住まい・器具・物品等物的環境による影響は考えられますか?
自宅と事業所との環境の変化は考えられる。
一番大きな変化は何ですか?
住まいの全体的な環境(自分の居場所、トイレ、食堂、物など)。人的環境。いつもいるスタッフで見慣れてはいるが、今まで常に一緒だった夫・娘・孫がいない。
(7)要望・障害程度・能力の発揮と、アクティビティー(活動)とのズレによる影響は考えられますか?
・他利用者と同じ活動はほとんどなく、個別に対応することが多い。
・外出時は他利用者と一緒だが、影響は考えられないと感じている。
・午前に行う体操は、Aさんから見える場所であるので行ってはいるが、Aさんの意思で行っているかどうかは定かではない。
Aさんの意思をどのように確認していますか?
Aさんが理解できると思う簡単なことはAさんに聞いてみるが、表情で確認できることが多い。
(8)生活歴・価値観等に基づいた暮らし方と、現状とのズレによる影響は考えられますか?
・外出が好きだった。家族をとても大事にしていた。
・仕事仲間とカラオケや食事に行ったりしていたが、仕事仲間との交流は、現在は全くない。夫もあまり知らない様子である。
・他利用者のトイレの訴えにトイレの場所を教えたり、歩行介助を手伝おうとしたりする行為あり。
世話好きのプラスの側面を生かして工夫していることは、どのようなことですか?
訴え続ける利用者(特定の利用者)に、自ら動き、世話をすることが多くある。その場面、場面で、スタッフは側で見守り危険がない限り行ってもらっている。また、何かしてもらうときには、Aさんに意思確認をしている。