・以前に帯状疱疹を患ったことがあり、体調不良時にはまず、「帯状疱疹を昔やったからその影響だ。」と話すことがある。
・高血圧状態が見られる。
(2)身体的痛み、便秘・不眠・空腹等による苦痛の影響は考えられますか?
・以前神経痛を患っていたことがある。
・便秘ではないが、排便困難の訴えは頻繁に聞かれる。
・夜中に目が覚めることがあると、Aさんより訴えが多く聞かれる。
・日によっては腹部の張りの訴えがあり、食事をしないことがある。また好き嫌いも多く、好物しか食べないことがある。
・「水虫だから足が痛い。」と話すが、水虫ではない状態である。本人に説明するが、「でも痛い。」と話す。
なぜ、目が覚めるのでしょうか。
体が痛くて目が覚めるとのことです。
(3)悲しみ・怒り・寂しさ等の精神的苦痛、また本人の性格等の影響は考えられますか?
・性格上、心配症であると共に短気であり、自分の訴えが聞き入れられないと不満を話すことがある。
・Aさんの生活環境において、特別仲の良い入居者がいないため、言葉や態度では表さないが寂しく思っている可能性はある。
・「何だか最近、死んだ人の夢ばかり見る。」と話すことがある。
亡くなった方は、親しい方ですか。
見たことがある程度の方です。
何故こうした死について考え、言葉にすると思いますか。
同じ高齢者であったことから、自分でも死への恐怖を感じている可能性も考えられます。
(4)音・光・味・臭い・寒暖等感覚的な苦痛を与える刺激の影響は考えられますか?
「体中が冷たくなってきている気がする。」との訴えは多く聞かれる。
この発言は、死への恐怖のことなのでしょうか。
特にそのような素振りは見られていませんでした。冷え性などの影響が考えられます。
では、冷え性対策をすれば、大丈夫ということですか。
死への恐怖を感じている可能性も考えられます。Aさんの心理では、そのようなことを思っていたのかもしれません。
(5)家族・介護者など周囲からの過剰、あるいは少なすぎる関わりの影響は考えられますか?
・家族との関係は良好であるが、離婚した夫とは疎遠である。Aさんからはそのことについて特に不満などは聞かれていない。
・介護者に対しての不満などは特に聞かれていない。
(6)障害程度・能力の発揮に対して、住まい・器具・物品等物的環境による影響は考えられますか?
Aさんの希望に添って居室等を設えているが、使いにくくなっている可能性も考えられる。Aさんは、「このままでいい。」と話している。
(7)要望・障害程度・能力の発揮と、アクティビティー(活動)とのズレによる影響は考えられますか?
退院する前は、自ら運動と称して歩行器を使って歩いていたが、現在はAさんの希望により車椅子での移動である。以前に比べると活動の範囲も狭くなっている。
なぜ、Aさんは車椅子移動を希望したのでしょうか。
転びそうで危ないからとのことです。
以前はタオルを干すことは、「誇りを持ってやってるんだ。」と話していたが、退院してからは自発的にやらなくなった。促しても、「今日はやらない。」と話す。
誇りを持ってやってるんだ。」とありますが、自負心でしょうか、存在のアピールでしょうか。ならば、なぜやらないのでしょうか。
やらないというよりはやることができないと話しています。
自負心、存在のアピールについても含めて答えてください。
自負するということは、その時はやる気を持ってやっていたのだと思います。「私はこれだけできるんだ。」ということを、他の入居者やスタッフに見せたいという気持ちも以前はあったのではないかと思います。
(8)生活歴・価値観等に基づいた暮らし方と、現状とのズレによる影響は考えられますか?
入居前のAさんの生活と現在の施設での生活において、Aさんの価値観と介護者側のそれとの間にズレが生じている可能性は考えられる。特に食品に対しての訴えが多く、賞味期限切れの食品の廃棄について、「少しぐらい大丈夫だろ。」と不満を持つことがある。
他にズレはありますか。例えば、1日の流れや対人関係の作り方、大切なものの順番など。
特にありません。
その根拠は。
こちらからの聞き取りのアプローチが少なかったのかもしれませんが、上記の事柄がAさんの心にある可能性もあります。