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事例概要 事例13

タイトル:他の入居者の介助をしてしまうAさん

Ⅰ.<事例の状況>

 Aさんは職員を見ると、「先生、何をしましょう?」と、一日中一人の職員の後を付いて歩く。職員はAさんに、食堂の掃除や、食事の準備、おしぼり巻きなどを手伝ってもらったりしている。洋裁が得意ということもあり、他の入居者の洋服の修繕等お願いするとしてくれるが、手早くすぐに修繕を終えてしまう。
 日中は他の職員もいるため、Aさんとの関わりは持てるが、夜勤明けの早朝時に、他の入居者の介助をしてしまう。寝ている人を車椅子へ移乗させようとして転倒したり、トイレットペーパーを口の中へ入れたり等Aさんが関係していると思われる事故が増えてしまっている。

Ⅱ.<この事例で課題と感じている点>

 他の入居者の介助をしてしまう。夜勤明けの一人の時にどうしたらいいのか。

Ⅲ.<キーワード>

 寝たきりの方を車椅子へ移乗させてしまう。 立てない方を立たせ歩かせてしまう。 食べられない物を他の人の口の中に入れてしまう。

Ⅳ.<事例概要>

年  齢 70代後半
性  別 女性
職  歴 洋裁
家族構成 子供二人
認知機能 HDS-R0点
要介護状態区分 要介護度3
認知症高齢者の日常生活自立度
既 往 歴 なし
現   病 アルツハイマー型認知症
服 用 薬 整腸剤(パントシン散・酸化マグネシウム) 精神安定剤(リーゼ錠) アリセプト
コミュニケーション能力 「先生」「さあ行きましょう」「帰ります」等自分の想いを訴えることはできるが、つじつまの合わない事の方が多い。
性格・気質 せっかち
A D L 食事(自立)排泄(場所の認識は難しいが場所を伝えれば可能)入浴・着脱(一つずつの行為に声をかける必要はある)
障害老人自立度 A1
生きがい・趣味 テレビの歌番組を見ることが好き。 洋裁。
生 活 歴 農家の二番目の子供として生まれる。家業の農業を手伝いながら洋裁を学ぶ。30代で結婚・二児をもうける。子育てをしながら洋裁の仕事についていた時期もある。平成に入って夫死亡。およそ8年程前から道が分からなくなる、火の不始末などの症状が出始め、アルツハイマー型認知症と診断される。自宅での介護が難しくなり、およそ7年前にグループホームへ入居した。帰宅願望等が強く、居室の窓から飛び降りようとしたことがあり、グループホームでの対応が困難となり、その翌年特別養護老人ホームへ入所し現在に至る。
人間関係 他の入居者の方との関わりは薄く、職員の後をついて歩いている。
本人の意向 何か手伝うことはないか。私にもできる。
事例の発生場所 特別養護老人ホーム
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