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研修情報

認知症介護指導者の紹介/仙台センター

福嶋 裕美 (仙台センター第9期生)
介護職員の認知症への認識について

福嶋リハビリテーション学院

地域の特徴

 私たちは、皆に優しく、共に楽しくを基本理念に、ノーマライゼーションのまちづくりを目指し、岡山県寄島町を中心に活動している。寄島町は、岡山県南西 部の瀬戸内海に面した人口約6,700人の漁師町で、高齢化(高齢化率約29%)と過疎化が進む地域である。当法人は、福嶋医院を母体に訪問看護ステー ション、介護老人保健施設、居宅介護支援事業所、訪問看護ステーション、グループホーム、生活支援センター(知的障害者デイサービス)、福嶋医院飛島分 院、介護付き有料老人ホーム、都市型デイサービス(倉敷市内)、学校法人福嶋学園 専門学校福嶋リハビリテーション学院という組織である。私は、認知症介 護指導者になって以来、岡山県の実践研修の講義を担当する以外に、近隣の社会福祉協議会や当施設の家族会の方々へ「認知症にならないには」といった演題の セミナーの実施、当施設の職員教育などを実践している。今回は職員教育を通して「介護職員の認知症への認識について」と題して報告と今後の展望を報告す る。
 認知症に関するセミナーを行い、2つの事例を挙げ、このような事例に遭遇した時に介護者が、いかに対応するかについて討論した。出席者の対象は 介護士、看護師、医師、OT、学生など約40人であった。参加者を5~6人ずつのグループに分け各事例の場合の対応すべき行動についてBS、KJ法を用い 結果をまとめた。

事例1

 参加者の73の意見の中「意識の転換」は64(約87.7%)で、「傾聴する」の意見を加えると70(約95.5%)と殆どが話題、その他の状況を変え ることにより利用者の帰宅願望の意識の転換を試みている。認知症高齢者の有している強い帰宅願望に対する対処法として話題のすり替えとか別の行動に誘導す ることにより帰宅願望をまぎらわせる、あるいは忘れさせようとする試みは通常、行われている対応であるが、もう一歩踏み込んで帰宅願望の発現する背景を探 ろうとする意見は見られない。認知症高齢者の行動障害には必ずその背景があるはずであり問題解決にはもう一歩踏み込んだ検討が必要であろう。説得するが 12(約6.4%)、家族に電話するが3(約4.1%)あり、認知症に対しての認識が不足している者も存在した。

事例2

 事例2は、利用者と介護者との間のトラブルの解決法についての問題である。サブカテゴリーでは9項目に分類されたが、その内容は反省的態度と非反省的態 度の2つに分類されると考える。非反省的態度は全体の約58.7%を占め、この結果から利用者との間にトラブルが生じた時の介護者の心理は「トラブルの原 因は相手にあり」という責任の転換、あるいは逃避的な心的状態が強いことを示唆している。反省的態度の中でも「トラブルを気にする」「上司に報告・相談す る」の中には恐らく非反省的態度を意味する心理を含んでいる可能性もある。
 以上2事例のセミナーの結果から、どの程度の認知症に対する正しい知識を持って介護に従事しているか疑問を持つ結果となった。認知症は誰にも起 こる脳の病気であり、現在169万人いる認知症高齢者は、20年後には、倍増すると推計されている。そのため社会全体で認知症患者とその家族を支えるため 「認知症を知り地域をつくる10カ年」キャンペーンがなされている。このキャンペーンは認知症を理解し、地域の認知症の人や家族を暖かく見守り、助け合う ために認知症サポーターを養成し、認知症になっても、認知症サポーターと地域住民の協力により、安心して暮らせる地域作りを試みる取り組みである。全国の 認知症サポーターの育成にあたっては「認知症サポーター100万人キャラバン事業」として展開されている。岡山県ではこの事業に着手したばかりであり、認 知症に対する知識・認識の程度は、このセミナーの結果から推測されるので、キャラバンメイト養成事業の推進に努力する必要性を痛感した。

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