Aさんは市内のデイサービスを利用していたが、妄想・帰宅欲求・尿失禁と介護拒否があり下着を替えてくれず、対応が困難となっていた。約1ヵ月前より当施設(デイサービス)を利用するようになった。かつては「社交的で明るく、かゆい所に手が届く行き届いた主婦だった」と夫が話してくれた。利用初日「ここの男の人にコートを盗られた」という妄想が起こる。自宅では誰かがのぞいていると言い家のカーテンを全部閉める、息子が食べ物を盗った、という訴えがある。Aさんは自宅の風呂をのぞかれることを心配している様子で、入浴ができず自宅で週1回湯を浴びる程度である。清潔の保持が難しい現状がある。デイサービスで入浴を勧めても、「結構です。」と言って入浴しない。
物盗られ妄想などがあり周囲の人とのコミュニケーションが思うようにならない。
清潔を保つ工夫が見当たらず、家族・本人ともに困っている。
妄想の対象者となった場合の本人へのかかわり方(家族の場合と援助者の場合それぞれに)。
余計なことをする人がいる。
いつも誰かに見られている気がする。
自立心・介護拒否・もの盗られ妄想。
年 齢 | 70歳代後半 |
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性 別 | 女性 |
職 歴 | 専業主婦 |
家族構成 | 夫と二人暮らし(近所に息子の住居あり) |
認知機能 | アルツハイマー型認知症軽度(認知症スケールの情報なし) |
要介護状態区分 | 要介護2 |
認知症高齢者の日常生活自立度 | Ⅱb |
既 往 歴 | 糖尿病・高血圧・ひざ痛・アルツハイマー型認知症 |
現 病 | 糖尿病・高血圧・ひざ痛・アルツハイマー型認知症 |
服 用 薬 | ・内科8種類 バイアスピリン、ミカルディス、アマリール、セイブル、リバロ、アダラートL、プレタール、アクトス ・整形外科3種類 ペオン、アシノン、ボルタレンゲル ・心療内科3種類 グラマリール、アリセプト、マイスリー |
コミュニケーション能力 | 妄想や介護拒否などからトラブルに発展しやすい半面、職員やほかの利用者には丁寧に挨拶をする。ひととおりの会話はでき理解力もある。 |
性格・気質 | 言葉遣いや服装はいつもきちんとしている。おしゃれ。社交的で自立心が強く自分の意志を曲げない。表情が硬く打ち解けることがない。 |
A D L | ひざ痛があり杖歩行 |
障害老人自立度 | J1 |
生きがい・趣味 | 父親にもらった思い出の指輪を今も大事にしている。以前は家の中のことのすべてを自分で切り盛りしていた。コーラス、クラシックの音楽が好みである。 |
生 活 歴 | 実家は商家で、貴金属を扱っていた。幼いころから長唄、三味線を習い歌が好きであった。結婚してからは専業主婦として家計を切り盛りしていた。 |
人間関係 | コーラスの仲間とは今も交流がある。以前通っていたデイサービスではトラブルが続いていた。自己主張が強く、妄想などを認めてもらえない状況があると訴えが強くなり、人間関係が疎遠になっていた。 |
本人の意向 | 「結構です」。自分のことは自分でしたい。 |
事例の発生場所 | 在宅(自宅・デイサービス) |