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事例概要 事例34

タイトル:自身の食事を周囲に勧められても食べようとしないAさん

Ⅰ.<事例の状況>

 昼食時、Aさんに昼食を運ぶと「ありがとうございます。でも私よりあなた食べなさい。」と自分の食事を周囲の人に勧めようとする。Aさんの食事であることを伝えるが、会話が繋がらず、食器をテーブルや床に置こうとする。介助にて口に運んでも、「もう一口で結構です。」と断る。食器を持ちやすいお椀に変えると少し食べるが、途中でも周囲を気遣って、自身の食事を分けようとする。表情は険しくはないが、忙しそうに動く。
 食事の拒否は昼食、夕食、おやつに時折見られるが、朝食はとてもスムーズで、ほぼ介助することなくきれいに完食する。

Ⅱ.<この事例で課題と感じている点>

 会話が繋がりにくく、自身の食事を他の人に分けようとし、食べ方がわからなくなる。
 好き嫌い関係なく食事を拒否するため、どのように対応したら良いかわからない。

Ⅲ.<キーワード>

 食事拒否、落ち着かず動く、会話が繋がりにくい、脱衣

Ⅳ.<事例概要>

年  齢 80歳代後半
性  別 女性
職  歴 保険会社勤務
家族構成 入居前は次男夫婦と同居
認知機能 HDS-R2点
要介護状態区分 要介護5
認知症高齢者の日常生活自立度 Ⅲb
既 往 歴 直腸脱
現   病 便秘症、アルツハイマー型認知症、骨粗鬆症
服 用 薬 アリセプト認知症)・エビスタ(骨代謝改善)・アスパラCA(カルシウム)・ワンアルファ(骨ビタミンD)・マグラックス(便通)・グラマリール
コミュニケーション能力 にこやかに話をするが、不安な時やわからない時は「大丈夫ですか?」と聞きに来る。会話はつじつまが合わないこともある。
性格・気質 温厚。人を気遣う性格。
A D L 食事は自立だが、時々食べ方がわからなくなるので声掛け半介助できっかけを作る。 排泄は声掛け誘導、動作介助、脱衣することで尿意を伝える。 入浴は誘導動作ほぼ全介助。
障害老人自立度
生きがい・趣味 歌を歌うのが好き。 歩くこと。 拭き掃除が得意。
生 活 歴 結婚後、B県で夫と3人の子供と生活。40歳代の時市内に引っ越し。平成になって夫が他界し、一人暮らしとなる。今から5年程前に認知症の症状出現により、次男夫婦と同居。
人間関係 温厚な性格で優しい気遣いがあり、他入居者と大きなトラブルはないが、嫌いな人には表情で感情を露わにする。
本人の意向 優しい人と一緒にいたい。家族に会いたい。
事例の発生場所 グループホーム
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