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今年6回目を迎えた「認知症でもだいじょうぶ」町づくりキャンペーンは、全国から総数55点の多岐にわたる活動をご応募いただきました。 |
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去る12月18日(金)に行われた「町づくり2009モデル」地域活動推薦委員会(委員長 堀田力 <財>さわやか福祉財団理事長)において慎重な検討の結果、下記の7点の活動が「町づくり2009モデル」に決定しました。 |
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委員からは総評として、「これまで、今後の町づくりのモデルとなるであろう活動を紹介してきたことが確実に波及効果をもたらしてきている」「全体的に地に足のついた活動が増えてきている」「さまざまな分野の人がネットワークを組み、認知症の人と共に歩んでいこうとしている姿勢が読み取れる」などの声が寄せられました。 |
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下記7点の活動は「『認知症でもだいじょうぶ』町づくりキャンペーン2009発表会」(2010年3月6日(土)東京・日経ホール)において顕彰され、各応募者より活動発表が行われます。 |
| ■「町づくり2009モデル」(全7点、応募先着順)
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| 1) 「誰でもが安心して暮らせる街に〜小樽市高齢者懇談会『杜のつどい』の市民後見人活動〜」 |
小樽市高齢者懇談会「杜のつどい」(北海道小樽市) 応募代表者:若西 カナ子(杜のつどい 副会長 兼 事業部長) |
<活動の概要> 高齢者が生きがいをもって経験や知恵を活かせるような機会や場所をつくることを目指し、平成17年、市民有志が高齢者懇談会を発足。高齢化や若者の流出による人口減の地域の中で、たとえ老いても、認知症になっても、自分たちの生活は自分たちで守るという熱意をもち、平成19年度より市民後見を広げるための活動に着手。市民後見人養成講座や視察、市民・企業への啓発等を行う。講座修了生で「市民後見人の会」を立ち上げ、専門家のサポートをうけながら、まずは相談者から傾聴し、各専門機関への振分けを行うという一次相談機関として活動を展開しつつ、今後の本格的な市民後見活動に向けた研鑽を積んでいる。市民後見のネットワークづくりを地域に広げるべく、行政とともに「市民後見人活動センター」の設置に尽力している。 |
【推薦理由】 ・高齢者が"自らの問題"として認知症の理解や成年後見制度の必要性を捉えて活動していることが大変素晴らしい。成年後見制度が開始されてから10年、特に認知症の人にとってこれらは大切な制度であり、市民の立場からの学習・養成講座、後見相談の取り組みはとても重要である。
・市民にはなじみにくい課題であるが、市民が中心となって行政、専門職を巻き込み、啓発だけでなく、市民後見を実際の活動としていくための道筋を作っている着実なプロセスを他地域でもぜひ参考にして欲しい。
・まさに、市民の市民による市民のための市民後見の実現が期待でき、今後の更なる飛躍や全国的な普及が楽しみな活動である。
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| 2) 「地域と共に活き活きと暮らす〜認知症発症者が主になり運営する朝市・地域食堂〜」 |
デイサービスセンター侶(香川県高松市) 応募代表者:城丸 聖平(デイサービスセンター侶 施設長) |
<活動の概要> 認知症の人たちが「地域の為に何かしたい、何ができる?」と考えたことをきっかけに、「多くの人と出遭い、誰かと共に食事をする喜びを味わってもらいたい」との思いで、約1年前より、高齢者施設にて週1回、朝市や地域食堂を開く。施設の利用者や若年性認知症のボランティアたちが主に運営し、食材の確保や調理、代金の受け渡しなどを行う。朝市では、施設の利用者が近隣の畑で栽培した野菜や、地域住民が持ち寄った花や野菜を住民に向けて販売し、これに合わせて同じ敷地で地域食堂を開いている。リピーターが多く、事業そのものも定着しつつある。また、利用者の介護度の改善もみられている。 |
【推薦理由】 ・認知症の人たちが主体的に地域の役に立ちたいと取り組んでいる、自分たちで生産した野菜による「地域食堂」や地域の人も加勢する「朝市」の開催等を通して、笑顔を取り戻している取り組みはもっと全国に広めたい活動である。
・小規模事業者として介護保険事業に留まらずそれらを拠点に独自の取り組みをしている姿勢は、他の事業者にも影響を与えられる活動のモデルである。最期まで地域社会の一員として暮らすことができるこのような活動が、全国各地で展開されていくことが期待される。
・「楽しくて幸せな食事」を目指している活動は、若年認知症の人をはじめとした人たちが現役としての実感を持つとともに、人との関わりの中から生き生きとした姿が生み出されており、大変素晴らしい。
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| 3) 「『認知症買い物セーフティーネット』普及事業−認知症になっても安心して買い物ができる地域づくり−」 |
NPO法人 HEART TO HEART(愛知県東海市) 応募代表者:尾之内 直美(HEART TO HEART 理事長) |
<活動の概要> 認知症の人と家族の会支部と福祉医療関係者が中心となって平成16年にNPO法人を発足。家族会のボランティア活動だけでは支援の限界があるとし、日々の暮らしを側面からサポートすることを目的としている。日常生活に欠かせない「買い物」に着目し、行政の支援のもと、買物トラブルの実態調査から始まり、実行委員会の設置、スーパー・商工会議所・家族による意見交換会を経て、買い物安心マークを公募・決定し、発表講演会を実施。啓発冊子・DVDも作成し、認知症サポーター講座とタイアップして普及活動を進めている。地域に「買い物安心マーク」を普及することで本人が自分で買い物ができ、地域の中に認知症の人と家族を見守る支援のネットワークが生まれている。 |
【推薦理由】 ・日常生活に欠かせない身近な「買い物」を通して、地域の中での認知症の見守りのネットワークづくりが進められており、先駆的で重要な取り組みである。ケアは日常生活の中にあるという大切なメッセージが伝わってくる。
・「買い物安心マーク」というアイディアがおもしろく、それらを実質的な活動とするためのDVDや冊子の作成を通して、商店や住民への認知症への理解が広がり、認知症になっても安心して暮らせる町づくりの第一歩が着実に進められている。
・家族の会が行政や社会福祉協議会を巻き込みながら、行政内部でも横断的な取り組みが進められている点が評価できる。さらに、実行委員会形式をとりながら常に住民参加を促すことで、継続的な活動が進められている点が素晴らしい。
・きめ細かいプログラムが他の参考となり、全国の「買い物の場」で取り組むことが可能なモデルである。ぜひ各地で取り組んでほしい。
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| 4) 「ネットワーク形式(杉並方式)で「介護者の会」を運営する試み 〜介護者の心に寄り添える「介護者の会」を目指して〜」 |
NPO法人 杉並介護者応援団(東京都杉並区) 応募代表者:北原 理良子(杉並介護者応援団 代表) |
<活動の概要> 平成17年、区が開催した「家族介護者への支援者養成講座」より誕生した「介護者サポーター」が、平成18年に「介護者応援団」を結成。同時期に地域に立ち上がった複数の「介護者の会」の運営支援を開始。介護者サポーターは、介護者の会の賛同を得て世話人として加わっている。賛同を得られた既存の家族会にも加わり、認知症サポーター養成の啓発活動等、認知症の理解を広めている。また、家族会を「地域に開放」できるよう、介護者は自分の都合に合わせて参加する会が選択できたり、複数の会へ参加できるという、独自のネットワーク形式をとっている。ここから、会の運営の安定化や活動レベルの維持、関係者が連携して介護者支援に取り組める等の利点が生まれている。 |
【推薦理由】 ・介護者を支援することの大切さが言われながらも、その仕組み作りは残念ながら遅れている。そういう状況の中で、継続への道筋を示してくれている素晴らしい活動である。NPOが介護者を支えるために継続支援活動を行っており、専門職、行政との連携をはかりながら支援ネットワークを作っており、関わる人たちすべてに意義ある活動となっている。何よりも「介護者の心に寄り添う」あり方が素晴らしい。
・孤立しがちな介護家族を支えようとする「介護者応援団」の取り組みは、今後急速に高齢化の進む「都会」でのネットワークのあり方として学ぶべきところが多い。
・介護者の精神的支援や介護力の向上に寄与する支援が行われており、さらなる発展が期待できる。
・いろいろなボランティアの参加と支えにより実現可能な活動である。特に地域の潜在力を活かし、それが参加者自身の介護予防にもなっている点が素晴らしく、全国各地で取り組まれることが期待される。
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| 5) 「共生を軸とした認知症地域支援の取り組み〜支えられる存在から支え合う力を生み出す存在へ〜」 |
NPO法人 地域の寄り合い所 また明日(東京都小金井市) 応募代表者:森田 和道(地域の寄り合い所 また明日 デイホーム管理者) |
<活動の概要> 地域の理解・協力のもと、アパートの1階を全て借り切り、仕切りのない同一空間で「地域開放スペース(寄り合い所)」「認知症専門デイサービス」「認可外保育施設」の3つの事業を、平成18年12月より本格的に開始。ここへ集った人がずっと一緒に過ごすわけではなく、3つの事業それぞれに職員を配置し個々に合った過ごし方をしている。その一方で、3つを統括するコーディネーターが、皆が一つの空間に集まっていることによる自然な関わり合いが、至るところで芽生えるように配慮している。寄り合い所がその中心となり、地域に暮らす方自身が再び地域社会の「支えあう力」の担い手となるよう、その力を引き出している。 |
【推薦理由】 ・共生型の試みはだいぶ浸透してきたが、まさに「支援」から「共生」という流れの中で注目できる取り組みである。充実した「与える」サービスより、自然に生まれる「支えあう」力を目指している。多世代交流のための場づくりや様々な工夫があり、これからの地域づくりの上で多くのヒントを与えてくれている。
・「寄り合い所」「デイホーム」「虹のおうち(保育園)」を同一空間での運営から相乗効果を得ながらも、それぞれに職員が配置され別々の時間が流れるよう工夫されている点が素晴らしい。お茶飲み、おしゃべり、育児の息抜き、主婦グループの会合にも利用されており、地域に暮らす方自身が再び地域社会の「支えあう力」の担い手になるよう支援する仕組み作りのモデルとして全国に広がってほしい。
・認知症の方々が暮らしやすい場やコミュニティづくりは、子どもやその親たちにとっても住みやすい社会であると改めて考えさせてくれる活動である。
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| 6) 「熊本県における行政・関係団体・県民が一体となった認知症でもだいじょうぶなまちづくり」 |
熊本県健康福祉部高齢者支援総室 認知症対策・地域ケア推進室(熊本県) 応募代表者:野尾 晴一朗(同認知症対策・地域ケア推進室 課長補佐) |
<活動の概要> 行政・関係団体・県民が一体となって、認知症でもだいじょうぶなまちづくりの取り組みを進めている。社会的な要望が高い早期診断・診療の体制や認知症コールセンターの設置のほか、認知症サポーター養成を県全体が一丸となって進め、認知症についての理解を組織的に広める活動をすすめている。本年は世界アルツハイマーデー記念行事として全県的な啓発活動をくり広げ、知事や市長が先頭にたって繁華街での街頭活動を行った。医療、保健、介護、福祉等の関係団体に呼びかけて実行委員会を立ち上げ、関係団体との連携を強化しながら、県独自の認知症啓発キャンペーンを県内各地で積極的に展開している。 |
【推薦理由】 ・住民のボトムアップ活動とともに、県がしっかりと活動を理解し支えることで、認知症の人への啓発や施策も加速がつくことを示してくれている取り組みである。知事が全国初の認知症サポーターとなる等、特に、トップリーダーの積極的な姿勢と取り組みは強力な推進力となる。それらの推進力を応援する意味で選定した取り組みであり、全国的に広がっていくことが望まれる。
・「認知症になってもできるだけ住み慣れた地域で安心して暮らせるくまもとづくり」を目指して、県知事、県行政がイニシアチブをとり、市町村や関係団体と連携しながら、住民への認知症の理解を積極的に促している活動は今後の全国の各都道府県のモデルとして意義深い。
・「県民一丸となって」の街頭啓発活動は、非常にインパクトがあり、今後多くの自治体に広がっていくことを期待したい。
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| 7) 「認知症を受け入れるということ〜若年性認知症をかかえる夫妻と支援者との出会い〜」 |
富士宮市サポートチーム/佐野 光孝・明美(静岡県富士宮市) 応募代表者:村瀬 裕美子(富士宮市保健福祉部福祉総合相談課 主事) |
<活動の概要> 若年性アルツハイマー型認知症の夫とその妻が、地域包括支援センターへ相談に訪れたことをきっかけに、行政の支援をうけながら自分達が経験したことを伝える活動を行っている。夫は平成20年より、元営業マンとしての接客術を活かして市内の観光案内所で観光ボランティアを開始。家族の会へも参加し、自分と同じ立場の人に少しでも自分の言葉が参考になればとの思いでテレビ局や新聞社の取材を受け、地域の事業者向け講演会でも講演。サポートチームはこうした活動を支え、また講演会の様子を収めたDVDを作成し、「認知症本人と家族の思い」を伝えるべく全国へ配布。夫妻は全国各地で講演活動を行い、「普通に接してほしい」という当事者としての思いを伝えている。 |
【推薦理由】 ・地域に点在する若年認知症の人の支援において、拠点を作らなくても支援が可能であるということを示してくれた活動として大変意義深い。
・若年認知症の人と家族を支援する具体的な方法を担当者と支える住民・関係機関が学びあい、理解の輪が広がっている。富士宮市として若年認知症の人の暮らしを支援するにあたって抱える課題は、他の自治体でも同様と考えられ、こういった課題や活動が共有されることが望まれる。
・当事者の声に自治体として専門職が丁寧に耳を傾け、本人・家族の心の変化と受容、前向きな姿勢への心理的変化等のプロセスの共有から得た学びは、これからの若年性認知症の人を支えるための大切なヒントを多く示してくれている取り組みである。
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推薦基準 |
| @ |
「認知症を知る」ための取り組み |
| 地域の多様な人々が認知症と支援について理解を広めるための先進的な取り組みがなされている。 |
| A |
認知症の人同士が出会い、話し合い、ともに参加する地域の活動 |
| 地域の認知症の人同士が出会い、自分たちの声や力を出しながら、参加する地域での活動が取り組まれている。 |
| B |
地域にある生活関連領域の人々が参画・協働する取り組み |
| 地域での住民生活に関連した多様な業種(商店、交通機関、金融機関など)や関係者が加わった先進的な活動が展開されている。 |
| C |
地域の人々と行政が協働する取り組み |
| 地域の人々と行政とが協働しながら、共に暮らす町づくりを進めている先進的取り組みがなされている。 |
| D |
活動の成果・成熟 |
| 内容や成果が充実し、広がりをみせている取り組みである。 |
| E |
今後や他地域での展開可能性のある取り組み |
| 今後さらに継続・発展する可能性や他の地域でも展開する可能性がある内容や方法である。 |
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一次推薦 |
| 平成21年11月12日の一次推薦委員会で推薦基準にもとづいて検討し、15点の地域活動を推薦候補とした。 |
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最終推薦 |
| 平成21年12月18日の地域活動推薦委員会では、まず全委員によって15点の地域活動について慎重に検討を行った。続いて、委員長の司会のもとで各委員からそれぞれの活動に対する推薦理由および課題点が述べられ、様々な角度からの討議の結果、全員一致で7点の推薦を決定した。 |
| 参考1:「認知症を知り 地域をつくる10カ年」について (2005年4月厚生労働省資料より) |
| 参考2:「認知症を知り 地域をつくるキャンペーン」について |